・競艇の賞典除外ってなんですか!
・賞典除外は舟券予想とかにも影響するんですか?
・もし予想に活かせる方法があれば教えてください!
結構重要だから覚えておこうね!
競艇初心者の方には「それって何?」という言葉が多くあるのではないでしょうか?ルールや選手情報、賭け方のコツなど色々と競艇についてわからない言葉があるかと思います。
そのひとつに出走表などに書かれている「賞典除外」という言葉は、競艇初心者の方には馴染みの薄い言葉だと思います。
賞典除外は、選手の心理を知ることはもちろん、賞典除外をレース予想に活かすこともできます。
知っておいて損はなく、むしろ賞典除外について知ることで予想の判断材料として役立てることができます。
ぜひ覚えておきましょう。
競艇の賞典除外とは
まず、賞典除外の「賞典」とは具体的に優勝戦、準優勝戦、特別選抜戦レースを意味します。
賞典除外というのは、それら優勝戦などのレースには「出走することができない」という意味です。つまり、賞典除外となった選手は予選レースにのみ出走することが可能ということになります。
競艇選手はレースに出れば賞金を1円でも多く稼ぎたいのは当然です。そのため、賞典除外によって賞金額が大きい賞典レースに乗艇できないというのは競艇選手にとって大きなペナルティです。
つまり一時的に収入が減るってことだよね?
そうゆうことになるね…!
競艇で賞典除外になるとどうなるのか?
選手からすると予選レースの出走のみで賞金を稼がなければならず、予選レースで賞金を稼ぐには3着までに入着しないと賞金がありません。
元々、賞金の少ない予選レースで3連複に絡まないといけないことになっている為、スタートや1マークのターンも攻めていく必要があります。
ですが、スタート事故や無理なターンで転覆などのリスクも伴うため、選手にとっては賞典除外になったシリーズはとても窮屈なレース展開を余儀なくされます。
賞典除外となった選手は、いつも以上に事故を起こさない慎重なレースをするのか、賞金やメンツの為に1着を狙ってくる選手なのかも見極める必要がありますので、予想が難解なレースとなってしまいます。
競艇で賞典除外になるケース
賞典除外になってしまうケースは5つあります。
上記のとおりとなります。
それでは一つずつ解説します。
スタート事故(フライング・出遅れ)
競艇は、6艇がスタートライン横の大時計の針が0になった時点から1秒以内にスタートラインを走行しないといけません。
それより早くラインを超えればフライング、1秒以上過ぎれば出遅れとなり、走行を中止してピットに戻らなければなりません。
どちらの場合でも賞典除外の対象となります。除外対象になるケースとしては一番多いケースです。
実はスタート事故は賞典除外のペナルティーではなく、選手の得点に減点20点が課されます。
一節間の前半戦で好成績をおさめていても減点20点は事実上の賞典除外となります。
妨害行為
レース中の航走は常に厳しくチェックされています。自分の着順を欲張るあまり無茶なターンや、他艇の航走ルートを無理やり絞っていくような航走で転覆などを引き起こした場合は妨害行為と判断します。
着順を争う競技ですが、選手に危険を及ぼす行為は賞典除外とされても仕方がありません。
待機行動中の違反
待機行動とは、ピットを離れてからスタートするまでのことを言います。
競艇のルールでは、進入固定方式のレースでない限り、どのコースからスタートしてもよい事になっています。
競艇のセオリーでいけば少しでも内枠からスタートしたいのが選手心理です。特に外枠番の選手が、無茶な内枠のコース取りをすれば待機行動違反となるわけです。
- 他の艇と適正な間隔をとらずにコースを主張する
- 他の艇に追突や失速して進路を阻む
- コース取りの際に右に舵をきる
- 2ターンマークに意図的に触れてコースを調整する
- 他の艇が既にスタート150m地点に到達した後に内側に入る
- 一旦、艇をスタートラインに向けた後に逆走して助走距離を調整する
主に上記の行動をとると待機行動違反となります。
観客席やWeb画面では少しわかりづらい点ではありますが、競艇はスタートがとても大切なの要素なのでこれくらい厳しいルールが必要なんです。
不良航走
選手は全力で航走し、着順をひとつでも上げるように必死です。時には果敢に攻めることは競艇の醍醐味でもあります。不良航走と判定されるのは微妙な部分もありますが、悪質な例もあります。
代表的なものは「ダンプ」と呼ばれる航走です。
定義では「先行する艇との間隔が3~4艇身ある場合に艇首を返さず他艇に体当たりし、自らを反動で先行すること」です。
しかし、1~2艇身程度で軽度なダンプはそのまま見逃される場合が多く見られます。
極端に故意であるとハッキリした場合以外は、ターンでダンプに近い状態になるのはある程度仕方ないように思われます。
不良航走の他の例では「クロスライン」があります。こちらも定義があり、「他の艇を追い抜く場合は安全な距離を確かめながら外側から追い抜くこと」とされています。
ですが、実際は内側から追い抜くことが大半ですが、これは他艇との安全な間隔が保たれていると判断されている為に許容範囲となります。
不良航走となるのは、コーナーへの進入角度がクロスラインになった外枠の艇を内枠の艇がターンの際に大きく外側へ膨らみ、外枠の艇を飛ばせてしまうケースです。
このケースでもスタートタイミングによっては外枠艇もコーナーを攻めてレースを作ってきますので、ある程度内枠艇が抵抗するのは仕方ないような気もしますが、ルールは厳格です。
賞典除外にならなかった事例がある
過去に石渡鉄平選手(東京)が、多摩川7Rでエンジン不調の為に展示航走を行った後、欠場となりました。
記録はスタート事故の「出遅れ」という扱いになりました。出遅れはスタート事故として扱われ、本来ですと減点20点で賞典除外です。
しかし、これは選手のエンジン整備の問題ではなく、不可抗力と判断されたため、選手責任外ということで賞典除外にはなりませんでした。
おー良かったです!
賞典除外ではどのケースでも「選手責任」かどうか?その焦点になります。
賞典除外と即日帰郷の違い
即日帰郷は読んで字のごとく、レースに参加することなく帰郷する事です。選手にとっては非常の重たいペナルティーです。
レースの進行を著しく妨げる行為や、競艇選手の原則に関わる事例など、選手自身の責任が大きいと判断されるケースに言い渡されます。
具体的には以下の3つとなります。
それぞれを簡単に解説します。
前検不合格
レースに出場する選手は開催日の前日に持ち物検査や身体検査をします。モーターやプロペラに関する規格に合っていない持ち込みがあったり、安全に航走できないような体調不良が見られた時は帰郷となります。
非常識なスタート事故
スタートタイミングから0.05秒以上の早いフライングをすると故意と判断されて即日帰郷となります。また、軽度のフライングでも一節で2回行うと即日帰郷になります。
事故による失格
危険な航走や転覆、落水による選手自身の負傷などを指します。いかなる理由があっても即日帰郷は選手にとって大きな痛手です。次回のレースが決まるまで出場ができないですし、ランクが下がる可能性があります。
そうなれば賞金ランクが下がり、グレードの高いレースにも出場できなくなります。
賞典除外となってしまった選手の心情は?レースへの影響は?
選手によっては賞典除外になったのだから予選レースで着に絡み、賞金を積み重ねようとさらに強気になれる選手は稀だと思われます。
やはり再度、事故を起こさないように、より慎重になる選手が大半でしょう。
特にスタート事故を1回起こした選手は1節で2回のフライングは即日帰郷になるため、思い切ってスタートを踏み込むことができません。そのため、選手心理として気合いが乗らないことは想像するに難しいことではないでしょう。
出走調整によって選手自らが賞典除外を希望する場合もある
選手が自ら賞典除外を希望する場合があります。
まず競艇選手にはA1級~B2級とランクがあります。選手の中には「このまま事故が無ければA1級だ」という場合に「2回走り」を「1回走り」に希望を出す選手も中にはいます。
出走回数を増やして事故のリスクがあるよりもランクを考えて出走調整をするのです。
また、ランクがこれ以上下がるとB2級になってしまう場合も選手希望で賞典除外になる場合もあります。フライングが重なっている選手などが挙げられます。
賞典除外を上手く予想に活かす方法はある
出走レース表に賞典除外と書かれていれば、まず「舟券予想からは外すこと」が賢明です。
選手本人のモチベーションも下がっている事が想像できます。
特にフライングをして減点がある場合、レースを組み立てる大事なスタートで思い切ったスタートの「自信」を無くしていることは否めません。
また、事故だけではなく本人が希望した賞典除外でもスタート事故や妨害など、積極的なレースを仕掛けることは考えにくいでしょう。
上記のことから、予想では冷静に賞典除外選手を切るような判断になるかと思います。
『賞典除外の選手は外す!』
覚えました!
でも、一つだけポイントがあるから良く聞いて!
基本的には賞典除外の選手は舟券から外しますが、実際に起こった事実を例にしますと、地元のお正月レースや御盆レースなどで実力上位のA1級レーサーとB2級レーサーの番組が組まれる場合があります。
A1選手が賞典除外になっている番組では当然人気薄になるのですが、実際のレースになると実力差があり過ぎてB級レーサーの技量ではインコースからの逃げやセンターからの差しが決まらないケースもあります。
1マークは有利に先行しても技術の差でターンマークを周回する度に、A1選手に追い上げられる光景は幾度となくあります。
少ないパターンですが、このような番組があれば敢えて「賞典除外になった選手も舟券に取り入れてみる」ことを視野に入れておきましょう。
穴党ファンの方は少しばかり楽しめるのではないでしょうか。