安定板使用ってなに?
安定板はどのタイミングで使用されるの?
安定版を使用するとレースにどのような影響があるの?
ほいほい!
競艇のレースでは時々「安定板装着」と中継画面に表示されたり、アナウンスされる場合があります。
そこで、安定板とは何かどのような形をしていて、装着することでどのような効果があるのか、また安定板使用が認められたレースではどのような影響があるのかをご紹介します。
当記事を読めば、安定板が使用された競艇場でレース予想する際のポイントが掴めるようになります。
安定板使用について徹底解説
安定板とは競艇場の波が高い時や風が強いときに使用されます。
荒天時や波が高いときに装着される。安定板はモーターの下部に取り付けられるU字型の板で、取り付けることによってボートの安定を図るのが最大の目的。
BOATRACE
安定板は風が強いとボートの先頭が浮き上がり、風に煽られる場合があるため、それを防ぐ為に安定板が使用されます。
また、強風などに煽られて事故になる可能性もあり、それを防ぐための目的に安定板が使用されることもあります。
安定板のサイズや形は?
安定板の素材はアルミ製になっておりアルファベットの「U」字型の形をしています。安定版の画像とサイズは以下の通りです。
縦 | 41.5cm |
横 | 41.5cm |
厚さ | 4mm |
重量 | 490g |
安定板のサイズや質から見て、さほど頑丈な作りには見えませんが、安定板をつけているのとつけていない時の乗り心地は大きく異なります。
安定板はモーター下部に装着する
安定板の装着方法は至って簡単。
モーターの下部にあるキャビテーションプレートに、蝶型の特殊なネジ2本を両側に締めるだけで装着することができます。以下が装着する前と装着された際の画像です。
多くの競艇場では装着する安定板を選手自ら選ぶことができます。
安定板に個体差はほとんどないとされていますが、「真っすぐな形をしている安定板が良い」「沿っている安定板が良い」など選手によって好みが異なります。
また、接水面部分はできるだけバリ(突起)がなく、ツルツルしているものが良いと言われています。
一部の競艇場ではモーター番号に備え付けの安定板が用意されていることもあります。
備え付けの安定板が用意されている場合は、選手が好みで安定板を選ぶことはできません。
安定板使用が認められるタイミング
安定板は選手自ら選ぶことはできますが、安定板を使用するタイミングは自由に決めることはできません。
「安定板装着」といった表示やアナウンスがあった場合は、レースに出場する選手全員のモーターに安定板が装着されます。
因みに安定板使用となったレースでは出走表に「安定板使用」と記載されます。
安定板使用には「風速何メートル以上」で装着するといった明確なルールはありません。
「水面がざわついている」「レースを行うには危険だ」と判断をしたときに、競技委員長の決定により安定板が装着されます。
場合によっては、実際にレースを行う選手が危険を感じ選手代表を通して安定板の装着を競技委員長に申し出ることもありますが、最終的な安定板の装着の決定権を持っているのは競技委員長です。
また、競艇では安定板を使用してもレースの継続が困難な場合、やむを得ず中止や順延といった措置を取る場合もあります。
その際も大会主催者や競技委員長によって決定されます。
安定板使用による効果
安定板を装着すると接水面積が大きくなるため艇を安定させることができます。
そのため、水面が荒れている場合のレースにおいても、事故や転覆などのトラブルを回避するのに役立ちます。
実際に安定板を装着してレースを行う選手によっては、安定板を装着するということは水面が荒れている証拠のため、安定板を装着したレースは嫌いという選手も中にはいます。
しかし、水面が荒れている状態では安定板を装着していた方が艇の安定感が保てるため、事故や転覆などのトラブルを回避できる可能性が高まり、ほとんどの選手が安定板を装着してレースを行いたいと考えている選手もいます。
安定板が普段ついていない理由
安定板を装着することで艇が安定するのであれば、普段から安定板をつけてレースをすれば良いのでは?と考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、安定板は装着することで艇を安定させることができるというメリットがある一方、デメリットも存在します。
プロペラのパワーや回転数が落ちるから
安定板を装着すると接水面積が大きくなるため、プロペラの回転が下がりモーターパワーが落ちてしまいます。
モーターパワーが落ちてしまうと、選手はモーターが本来もつ機力を活かしたレースを行うことができません。
普段から安定板が装着されてしまうと、観戦の醍醐味となるダイナミックなレースができなくなってしまうと言えるでしょう。
安定板使用によりチルトを調整する選手もいる
安定板の装着時にはチルトを調整する選手もいます。
それはプロペラを回転させモーターパワーを補ってレースを行うためです。
しかし、チルトをはねれば安定板を装着することによって得られる安定感を半減させてしまいます。
チルトを調整せずに安定感を重視するか、モーターパワーを補うためにチルトを調整するかは選手の好みによって異なります。
安定板使用の際に有利なこと
安定板を使用する際、元々パワーがないモーターは安定板を装着することで有利になる場合があります。
モーターパワーは舟足に大きく関わり、レース結果にも大きな影響を及ぼしますが、安定板を装着するとモーターの機力差が縮まります。
そのため、パワーがあるモーターはその実力が発揮できなくなる一方で、パワーがないモーターはその機力差を縮めることができ、安定板の装着が有利に働く場合もあります。
安定板使用の時は「まくり」が決まりにくい
安定板使用の時はトップスピードが落ちてしまいます。
そのため、競艇の見どころの一つともいえる「まくり」が決まりにくくなります。
モーターパワーが落ちてしまうだけでなく、安定板が装着されるということは水面が荒れている証拠でもあるため、果敢に攻めることができないというのも理由の一つといえます。
また、安定板を使用した場合は艇には安定感が生まれターンもしやすいことから、一般的にはインコースが有利になると言われています。
しかし、選手同士のレースの駆け引きや、モーターが本来持っている機力差もあるため、安定板が装着されているからといって必ずしもインが勝利するとも限りません。
レースの展開によっては予想外の波乱も起こり高配当がでる場合もあるので、ぜひ安定板が使用されるレースをチェックしておきましょう。
元々モーターに安定板が装着されている競艇場もある
全国に24場ある競艇場の中で、元々安定板が装着されている競艇場があります。
それが、24場の中で唯一河川を利用しており、潮位と川の流れで水面が形成されている江戸川競艇場です。
江戸川競艇場は強風も吹きやすい競艇場として知られています。
そういった理由からトップクラスの難水面と言われており、江戸川競艇場を苦手とする選手も少なくありません。
そんな江戸川競艇場では、艇を安定させるため予めモーターに通常の安定板より小さいミニ安定板がビスで装着されています。
水面が荒れたり、強風が吹き安定板の装着が指示された場合は、あらかじめ装着されているミニ安定板よりさらに大きな安定板を装着することになります。
安定板を装着していないレースにおいてもミニ安定板は元々装着されているため、通常と比べて接水面積が大きく、抵抗を受けやすくなります。
そのため、江戸川競艇場ではモーターの回転を上げるためにチルトをはねてレースを行う選手が多くいます。
安定板使用についてのまとめ
安定板の形はアルファベットのU字型、接水面にあるキャビテーションプレートの上に装着することで艇を安定させることができます。
「水面がざわついている」「レースを行うには危険だ」と判断をしたときに、競技委員長の決定により選手全員に装着が義務づけられています。
安定板を装着すると、接水面積が大きくなるため艇を安定させることができますが、プロペラの回転が下がることによりモーターパワーが落ち、選手はモーターが本来もつ機力を活かしたレースを行うことができません。
安定板使用時はモーターパワーを補うためにチルト調整を行う選手もいます。
トップスピードが落ちることにより、アウトコースからのまくりが決まりにくくインコースが有利と言われていますが、安定板使用時は水面が荒れているだけに予想外の波乱が起こることも少なくありません。
水面が荒れているときでも果敢に攻めていく選手や、荒水面の巧者がレースに出場する場合は、注目してみると良いかもしれません。