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競艇の「イン屋」総まとめ!現役選手と引退選手をご紹介

競艇のイン屋
競太

競艇のイン屋を知りたい!
現役の選手と引退した選手を教えてください!

蒼波しずく

任せて!

競艇(ボートレース)は競走水面を左回りに走る競技のため、一番有利なのはインコース、つまり「内側」となります。この「各コース」についてはレース前の「待機行動」と呼ばれる時間で選手本人がルールの範囲で自由に選択することが出来ます。

この時多くの選手は与えられた枠順(〇号艇)と同じコースに進入しますが、中には枠順に関係なく有利と呼ばれるインコースに入る選手がいます。このような人たちを「イン屋」と呼び、進入予想を盛り上げています。

ちなみにイン屋のメリットとしてはターンの時に他コースより旋回距離が短くなるため、レースを有利に運ぶことができます。結果として1着に入る割合はもちろんの事、3着までに入る割合も高くなります。

デメリットとしてはこのコースと決めてスタートライン方向に舟を向けるのが他の選手に比べて早くなるので助走距離が短くなり、スタートのタイミングが難しくなります。

当記事を読めばそんなメリットやデメリットを抱えつつも「イン屋」として頑張っている(頑張っていた)選手たちを知り、その選手が出ているレースは「インコースにはこの選手が入るだろう」と予想する際の参考にすることができます。

ちなみにイン屋とは逆に「アウト屋」の存在もあります。インコースが有利な競技にも関わらず、敢えてアウトコースに自ら進入する選手もいます。

アウトコースからの攻めは、誰しもが「凄い」と思えてしまう程の魅力のあるコースでもあります。ぜひ合わせてチェックしておきましょう。

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【目次】この記事でわかること

現役のイン屋選手

2021年4月末現在、現役でイン屋として活躍している選手6名を紹介します。

彼らは今尚選手として活躍していますので、レースを観る機会があった際はインコースに入る事を視野に予想してみるといいでしょう。なおデータは2021年4月末時点のものです。

前付け名人 鈴木幸夫選手

登録番号登録期
287643期
生年月日身長
1957年8月10日162cm
体重血液型
51kgAB型
出身地支部
愛知県愛知支部
級別備考
A1SG優勝1回
GI優勝7回

イン屋はベテラン選手が多いですがその中でもベテランの鈴木幸夫選手、60代を超えてもなお最上級のA1で活躍されています(最近はA1選手の中でも最もベテランの選手になることが多いです)。

現在は記念での活躍は少なく一般戦がメインとなっているのでぜひ覚えておきたい選手です。

ちなみに奥様は元選手の鈴木弓子さんで、1988年には夫婦でSG競走にも出場したことがあります。

イン逃げの西島 西島義則選手

登録番号登録期
302449期
生年月日身長
1961年10月30日166cm
体重血液型
60kgAB型
出身地支部
島根県広島支部
級別備考
A1SG優勝7回
GI優勝16回

今尚SGやGI戦線で活躍している西島義則選手。どのような状況・枠順であろうとインコースに入るその姿勢はファンからも好評で、ファン投票でも高順位を獲得しています。

そして西島義則選手は、現役選手で唯一SG競走3連覇の実績があります。この偉業は引退選手を含めても2人しか成し遂げてない高難易度なことです。

群馬のイン屋 江口晃生選手

登録番号登録期
315954期
生年月日身長
1965年2月11日164cm
体重血液型
54kgAB型
出身地支部
群馬県群馬支部
級別備考
A1SG優勝2回
GI優勝6回

デビュー3年でSGに出場するなど昔から実力が折り紙つきの選手です。記念優勝数こそ少ないですが、群馬支部の頼れる総大将として活躍されており、調子がいい時には体重を絞ってインコースを狙いまくります。

ちなみに学歴に早稲田大学大学院がありますが、これは2009年に1年間スポーツ研究科に在籍(1年制で修了)していたもので、当時は通学しつつ選手としてレースにも励む「二足の草鞋」生活でした。

水上のファイター 今村暢孝選手

登録番号登録期
326559期
生年月日身長
1965年1月19日162cm
体重血液型
53kgO型
出身地支部
福岡県福岡支部
級別備考
A1GI優勝6回

見た目は若干強面ですが実際は温和で優しい選手です。ただレーススタイルとしては1コースよりも2コースが多く、GI優勝戦で6号艇から2コースに入り、差して優勝した実績もあります。

ちなみに前述の「6号艇から2コースに入って優勝したGI」では予選道中、予選通過は難しいだろうと言われる成績を残していたにも関わらず予選通過、そして準優勝戦も2着で優勝戦に出場したことでも話題になりました。

スーパーピット離れ 石川真二選手

登録番号登録期
347366期
生年月日身長
1970年4月19日163cm
体重血液型
52kgB型
出身地支部
福岡県福岡支部
級別備考
A1GI優勝1回

イン屋のインの取り方は様々ですが、その中でも石川選手はピット離れからインを取りに行く迫力が凄い選手です。

その秘密は現在はボートレース場持ちのプロペラにあるようで、石川選手の使ったプロペラを次に使う選手はイン屋でもなければそのプロペラを使っても石川選手並みの成績を残すのが難しいと言われています。

そして石川選手はYouTuberとしても活躍されており、1節の反省やレースでの裏話などを投稿しているようです。

深イン真二 深川真二選手

登録番号登録期
362371期
生年月日身長
1974年6月6日166cm
体重血液型
52kgB型
出身地支部
佐賀県佐賀支部
級別備考
A1SG優勝2回
GI優勝4回

現在、日本モーターボート選手会の会長をしながら時折レースに出場しており、瀧和則選手とともに佐賀支部が誇る凄腕のイン屋です。

特に有名なエピソードとして、たとえイン屋であっても競艇場の特徴から枠順通りのコースに入る傾向が多いボートレース江戸川でインに入った結果、スタートライン45m前から助走をつけてスタートする羽目になったことがあります。

またSG初優勝の時も6号艇ながら2コースに進入し、全国のファンを驚かせました。

ちなみに現在でこそSG覇者の深川選手ですが1998年のSGデビューから2008年までの10年間、21回のSGに出場して予選突破がありませんでした。

この記録は現在も破られていないと思います。なおSG初優勝はその9年後の2017年でした。

引退されたイン屋

ここからはイン屋として活躍されていたものの現在はボートレーサーを引退した5名を紹介します。

出場するレースの予想は出来ませんが過去のレースを見るときの参考などにしてください。なおデータは全て引退時のものです。

インの鬼 北原友次選手

登録番号登録期
14815期
生年月日身長
1940年5月2日158cm
体重血液型
不明A型
出身地通算勝利数
岡山県3,417勝
級別備考
B1SG優勝7回
GI優勝39回

2005年に引退した北原友次選手ですが、1959年のデビュー戦でいきなりインコースに入る強心臓の持ち主です。(今現在、新人選手は外の6コースに入るのが暗黙の了解となっています)

また、北原友次選手は歴代最高となる通算3,417勝を記録しています。通算3,000勝は現在4人しか達成されておらず、17年間も出ていないため、如何に難しい記録か分かるかと思います。なおその4人の皆さんは引退されています。

ちなみに、ある記者が北原友次選手に「なぜインコースに固執するのか?」と質問したところ、「ゴールに1番近いのは1コースだから1コースを常に狙う」と答えたそうです。

瀬戸の大魔神 安岐真人選手

登録番号登録期
186416期
生年月日身長
1945年1月11日158cm
体重血液型
不明B型
出身地通算勝利数
香川県2,123勝
級別備考
A2SG優勝5回
GI優勝22回

2005年に引退した安岐真人選手(画像右)ですが、現役当時は多少強引でも前付けからインを奪って逃げるのが得意で、1年間で207走のうち6コース進入が3回だけなのに対し、1コース進入99回、2コースも合わせると160回も走っていたことがあります。

ちなみに兄の義晴さん、娘の奈緒子さんも元レーサーというボートレーサー一家でもあります。(お二人に関してはイン屋という事ではなかったようです)

前付けの鬼 冨好和幸選手

登録番号登録期
293646期
生年月日身長
1958年5月22日165cm
体重血液型
57kgA型
出身地通算勝利数
兵庫県1,021勝
級別備考
B12016年10月6日逝去

2013年に引退した安岐真人選手ですが、現役時代はどの枠順でもほぼインコースに進入していました。

その姿勢は現役最後まで貫き、2013年は75走中56走で1コース、2コース進入まで合わせると73回を記録しています。

甥の祐真は今尚現役のボートレーサー(どのコースにも満遍なく入るオールラウンダー)で、弟は芸人で元ちゃらんぽらん(2008年解散)の真さんです。

東海の女王蜂 鵜飼菜穂子選手

登録番号登録期
298348期
生年月日身長
1959年10月4日162cm
体重血液型
45kgO型
出身地通算勝利数
愛知県1,692勝
級別備考
B2女子王座決定戦3連覇(唯一)

2020年に引退した鵜飼菜穂子選手ですが、現役時代は女子選手のパイオニア的存在として活躍し、デビュー戦は3コースから戦いました。

この進入に関して選手は何も言わなかったものの、レース後に競技委員長に呼び出されて怒られたそうです。

しかしそれでもインを譲らない姿勢はほぼ変わらず、女子戦ではインコース進入が多くなりました。

自身の語る健康法として「ワインを飲むこと」を挙げるほどにワインが好きなのが高じて「名古屋ワイン文化大使」に任命されたり、チャリティーオークションでサイン入りワインセラーを出品したこともあります。

前付けの鬼 大嶋一也選手

登録番号登録期
301049期
生年月日身長
1958年1月28日163cm
体重血液型
51kgAB型
出身地通算勝利数
愛知県2,532勝
級別備考
A1SG優勝1回
GI優勝13回

2017年に引退した大嶋一也選手ですが、現役時代は積極果敢なコース取りで知られ、2007年の名人戦では3号艇で優勝戦に出場し、スタート展示こそ枠なりでしたが本番レースは1コースに進入し、そのままイン逃げを決めて優勝しました。

さらに2009年のチャレンジカップ優勝戦においては、2号艇ながらも1号艇の選手を威圧するかのようにターンマークを目指して話題になったこともありました。

しかし、2007年のチャレンジカップで7Rに出場予定だった大嶋選手が、6Rの展示終了後にプロペラ交換のためピットに向かったところ、ボートを間違えて6Rに出場する選手のプロペラを交換したことで、内規違反による即刻帰郷および3ヶ月間の出場停止処分が降りたこともありました。

ちなみに展示終了後のプロペラ交換は認められないため、6R出場選手でプロペラを変えられた選手も選手責任外欠場となりました。

イン屋ばかりの番組はあるの?

ここまでイン屋について見てきましたが、イン屋ばかりを集めた番組(1つのレース)はあるのでしょうか。

ある見解としては、「選手同士の暗黙の了解でコース争いはないから難しいのではないか」というのが挙げられます。

ボート界は基本的に年功序列制なので若手のイン屋とベテランのイン屋がいたらベテラン選手の方がインに入ることでしょう。そして現代のボートはイン有利な流れです。

それらを考えると面白みが少ないのであまりレースとしても売れないでしょう。そうなると施行者にとっても痛手なのでそのようなレースは組まれないと思われます。

競艇のイン屋についてのまとめ

今回は現役・引退選手のイン屋を見てきましたが、イン屋と一言に言っても様々な特質を持つイン屋がいます。

基本的に枠なり(インコースから123456)でスタートする現在の競艇界に、少なからずメスを入れるイン屋の存在は予想の面白みを上げる存在なだけに、そのような選手が走るレースには今後も注目したいレースかと思います。

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