競艇のチルトってなんですか?
競艇のチルトはレース戦に関係あるの?
競艇のチルトを知ると予想にどうゆうメリットがあるの?
オッケー!
競艇のチルトとは
競艇のチルトとは「ボートに取り付けるモーターの角度」の事を言います。
ボートの後部に取り付けるモーターはプロペラ(スクリュウ)と一体になっている為、チルトは「プロペラの角度」と呼ばれることもあります。
そのチルトの角度を上下に向きを変えることによってボートの性能に大きな変化が出るため、レース戦や予想にも大きく影響するのが特徴的です。
チルトは予想において重要な要素なので、もっと詳しく解説していくよ!
競艇のチルト角度の種類
チルトの角度は「−0.5度」から最大で「+3.0度」まであり、0.5度刻みで全8種類の角度があります。
チルトの角度の種類 |
---|
-0.5 |
0 |
0.5 |
1.0 |
1.5 |
2.0 |
2.5 |
3.0 |
例えばチルトの角度を「-0.5」に下げると舳先(ボートの先端の事を「へさき」と言います)が下がり、ボートの底と水面が触れる面積が大きくなるため、ボートが安定する特徴があります。
反対にチルトの角度を「0.5から3.0」に上げると舳先は上がり、ボートの底と水面が触れる面積が小さくなることにより、水の抵抗が少なくなりスピードが出る特徴があります。
今では一般的に−0.5や0でレースに臨む選手が圧倒的に多いよ!次で解説するね!
現在主流の競艇のチルト角
現在の競艇では、チルトを上げるより-0.5の方が強いと考える選手が多く、9割以上の選手が-0.5を選んでいます。
そして残り1割が0、チルトを上げる選手は開催1節で一人いるかどうかの割合となります。
それくらいターンの回り足を重視する選手が多いということです。
その為、少しでもチルト上げて来る選手がいれば、一発捲りを狙っているということが分かります。
それでも3.0にこだわる阿波選手のようなレーサーは貴重なのです。
後述しますが、チルト3.0は一流選手でも扱いづらいんだよ!
チルトの角度を下げた際のメリットとデメリット
チルトの角度を下げた場合、水面に触れる面積が大きくなるため、ボートが安定して初速が良くターンがしやすくなります。
俗に「ターン型」と呼ばれています。
最近の競艇は回り足重視のレースが多く、特にグレードの高いレースになるほどチルトを下げてレースをする選手が多くなっています。
特に難水面と言われている競艇場では−0.5の選手が9割を超え、チルトを上げている選手は殆んどいません。
伸び足を多少犠牲にしてもターンのしやすいモーターでレースに臨むのが今の主流になっているようです。
ターンを左右するのがこの「回り足」。回り足が強ければターンで主導権を握れるし、弱ければ置き去りにされてしまうことが多々ある。
回り足 | BOAT RACE オフィシャルウェブサイト
今はG2以上のビッグレースになるとスピードよりターンの性能を良くする調整を施す選手がほとんどで、-0.5
に調整する選手が9割となっております。
これは特に狭いコースなら尚更安定性が良く、インを鋭く差せるモーターが有利だからという理由があります。
そんな中でチルトの角度を上げる4カドや6コースの選手がいる時は、「捲り」を狙っている場合があるので合わせて覚えておきましょう。
ただしチルトの角度を下げた際の代償として、抵抗力が大きくなるため、直線においてスピードが出ずらくなり、伸びにくくなるというデメリットもあります。
チルトを下げた際の注目ポイント
普段からチルトの角度を0にしている選手がチルトを下げた場合、回り足が良くターンの安定性を重視している証拠となります。
特に強い季節風などで水面が荒れている時などは、ターンで少しでも有利になるようチルトを下げる場合があります。
また、競争水面が海水の場合は水質の特徴として浮力がある為、スピードよりターンを重視してチルトを下げる選手もいます。
チルトの角度を上げた際のメリットとデメリット
チルトの角度を上げた場合は抵抗が少ない分、直線での伸びは良く最大限のスピードが出るメリットがあり俗に「スピード型」と呼ばれています。
スタートを決めればターンマークで先頭に入ることができるため、捲りが決まれば先頭に出ることも充分可能ですが、ターンで流れてしまいインを差されてしまうと一気に後退してしまいます。
その為、一か八かで勝負をする選手がチルトを上げてレースに挑むことが大半です。
また、6コースからスピードを上げて一気に捲る「アウト屋」と呼ばれる選手がいますが、常に1着か6着かと言った思い切ったレースをチルトを上げてレースをすることも多い特徴があります。
その他、予選の得点がギリギリで準優戦に出られるかどうか瀬戸際の選手が、思い切ってチルトを上げて勝負掛けに出るケースもあります。
ただしチルトを上げた際の代償は、初速が出にくく長い助走が必要となり、ターンをする際の安定性が欠けてしまうため、ターンがしにくくなるという欠点があります。
チルトを上げた際の注目ポイント
もし、チルトを0や+0.5に上げている選手がいたら一発捲りを狙っている可能性があります。
チルトを上げると、回り足を犠牲にする代わりに伸び足を重視することになります。
つまり、スタートの段階でスピードに賭けたレースに挑むということになるため、ダッシュスタートであるアウトコース(4.5.6コース)から思い切った捲りを狙っているということになります。
その場合、インに入った3艇(1.2.3コース)は前を塞がれてしまうので行き場を失い失速します。
そして5コースは4コースの後について行き、インから差すこともできるようになるため、5コースは2着になる可能性が高くなります。
つまり出目としては「4-5」という筋舟券(スジ舟券)となり、上手くいけば2連単の4−5の高配当を獲得することも十分に可能な話になります。
競艇場ごとに最大のチルト角が異なる理由
競艇場が極端に狭いなどの条件で、事故防止や選手の安全のためにチルトの角度を制限しているコースもあります。
以下の表が競艇場ごとのチルトの角度制限表です。
競艇場 | チルト角 |
---|---|
桐生 | -0.5/0/0.5/1.0 |
戸田 | -0.5/0/0.5 |
江戸川 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0 |
平和島 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
多摩川 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
浜名湖 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/2.5/3.0 |
蒲郡 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
常滑 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
津 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
三国 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
琵琶湖 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5 |
住之江 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5 |
尼崎 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
鳴門 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
丸亀 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
児島 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
宮島 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
徳山 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0 |
下関 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
若松 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5 |
芦屋 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
福岡 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5 |
唐津 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5/2.0/3.0 |
大村 | -0.5/0/0.5/1.0/1.5 |
例えば、競争水面の極端に狭い戸田競艇場では−0.5〜0.5までとなっています。
これは、全速ターンで回り切れず壁に激突してしまう危険性があるからという理由のためです。
その他、桐生では−0.5〜1.0、びわこ、住之江、若松、福岡、大村では−0.5〜1.5。
江戸川、徳山では−0.5〜+2.0と、コースの造りや季節風、潮や水の流れなどの自然条件によって危険防止のためにチルトの角度を制限しています。
ただし残りの15競艇場では3.0まで可能となっています。
このように競艇場によってコースの造りが違えば、競艇場によって特徴もそれぞれ異なります。
競艇場の特徴を知ることは舟券予想をする上で最低限知っておくべき条件となりますので、合わせて競艇場の特徴も知っておきましょう。
戸田競艇場だけ唯一角度が+0.5までの理由
競艇場ごとに最大のチルト角が異なる理由でも解説しましたように、難水面になる程チルトの角度は小さくなり、静水面になる程チルトの角度が広くなることが分かると思います。
戸田競艇場のコースは、かつての東京オリンピックの漕艇(ボートを漕ぐこと)コースのため、幅を広く取ることができず、日本一狭いコースと言われています。
特に第1ターンマークのバック側が70.5メートルしかないため、全速でターンをすると対岸に激突してしまう危険があります。
そのため戸田競艇場ではチルトの角度を0.5までにしているのです。
チルトの角度を最大3度まで上げるとどうなるのか?
アウト屋と呼ばれる全速ターンで捲りをする選手がたまにいます。
今では以前のように持ち込みペラが廃止になってしまったため少なくなりましたが、中には一発捲りに賭ける選手がいて、ファンには人気があります。
実際にチルトを上げるとどのようにモーターが変化するのかというと、例えA1級の一流競艇選手であっても1.0のモーターを乗りこなすのはかなり難しいと言います。
ましてやチルト3.0のモーターは全く次元の違うモーターに変わってしまうというと言いますから、一か八かの勝負も簡単にはできないのが現実です。
関東地区でチルト3が使える競艇場は、全国でも有数の静水面と言われる多摩川競艇場とコースが広くてもビル風の強い平和島競艇です。
東海地区は全国屈指の広さを持つ浜名湖競艇場を始め、海水や汽水の水質をもつ蒲郡競艇場、常滑競艇場、津競艇場の全てでチルト3.0が可能となっています。
関西地区は本州で唯一日本海側の三国と関西の静水面で有名な尼崎競艇場が可能です。
四国地区では意外とコースが狭い鳴門競艇場と丸亀競艇場がチルト3.0が使えます。
中国地区は潮の流れが強い徳山競艇場を除く児島競艇場と宮島競艇場と下関競艇場が可能です。
そして九州地区は芦屋競艇場と唐津競艇場がチルト3.0が可能となり、若松競艇場、福岡競艇場、大村競艇場の3ヵ所については1.5までのチルト制限となっております。
表に関しては先ほどの競艇場ごとに最大のチルト角が異なる理由をご覧ください。
各選手のチルト角を確認する方法
選手の個別データは各競艇場で配布される出走表に詳しく記載されています。
最近はネットでも直ぐに調べられるので、舟券を購入する際は各選手のチルト角度を確認しておきましょう。
また、レース前には放送やライブ中継でも公表されます。
選手の等級や勝率、モーターの勝率ばかりでなく、チルト角度の変更も予想をする上では重要なチェックポイントなので、必ず確認するようにしましょう。
Mr.チルト3度と呼ばれる競艇選手が存在する
例え1号艇だとしてもレースでは自らアウトを選び、ダッシュをつけて6コースからの豪快な捲り勝負仕掛ける「アウト屋」と呼ばれる選手がいます。
その中でも「阿波勝哉」という競艇選手は別格でMr.チルト3度と呼ばれており、競艇ファンの間でも人気がある競艇選手です。
持ちペラが廃止されてからアウト屋が少なくなった今でも阿波選手の捲りは健在です。
ただ、アウト屋になろうと思ってもスタートの上手い選手でなければ決してなれません。
フライングせずにタイミングを合わせて絶妙なスタートを切らなければ、幾ら伸び足が良くても大捲りはできないからです。
だからこそ、それができる阿波勝哉選手の人気は絶大なのです。
下記の映像が阿波勝哉のレースまとめとなりますので、その凄さを是非チェックしておきましょう。
競艇のチルトについてまとめ
- チルトとはボートにモーターを取り付ける角度のこと
- チルトを下げると、舳先が下がり出足とターンでの回り足が良くなる
- チルトを上げると、舳先が上がり伸び足が良くなり最大スピードが出る
- 今ではチルトの角度は-0.5が主流となり、9割以上の選手が-0.5でレースに挑んでいる
- チルト0や0.5に変更した選手がいたら捲りに要注意
- チルト3.0は1着か6着(一か八かの勝負)
チルトってとても重要なことなんだね!しっかりと覚えておくよ!
そうなの!チルトの角度や制限は各競艇場で変わるし、競艇選手の皆さんはレース戦略の為に角度を調整したりするから、私達競艇ファンも予想を攻略する上では絶対に確認しておくべき事だから覚えておこうね!